奨学金完済ガイド

奨学金を完済したらどうなる?必要な手続きと受け取れる証明書

Tags: 奨学金, 完済, 返済完了, 完済証明書, JASSO

奨学金完済、本当におめでとうございます

長期間にわたり、計画的に奨学金の返済を続けられ、無事に完済されたこと、心よりお祝い申し上げます。奨学金の返済は、多くの若手社会人の方々にとって、少なからず負担や不安を伴うものです。その大きな責任を果たされたことは、素晴らしい成果です。

さて、奨学金を完済した後に「何か特別な手続きは必要なのだろうか?」「完済したことの証明はもらえるのだろうか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。この章では、奨学金を完済した後に知っておくべきことや、必要な手続き、完済証明書について詳しくご説明します。

奨学金完済後、自動的に行われること

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の場合、最終回分の返済が無事に完了し、全額の返済が確認された後、基本的には特別な手続きをしなくても、JASSO側で完済の処理が行われます。

返済期間が満了し、全額の返済が確認できると、通常、約1〜2ヶ月後を目安に、JASSOからご登録の住所に「奨学金返還完了通知」という書類が郵送されます。

この「奨学金返還完了通知」は、奨学金の返済が全て完了したことを正式に知らせる書類です。この通知が届けば、奨学金に関する返済義務は全て終了したことになります。

自分で必要となる手続き(保証について)

多くの場合、奨学金の完済に伴って奨学生ご自身で行う必須の手続きは特にありません。しかし、連帯保証人や保証人がいる「人的保証」制度を利用していた方は、完済後に確認しておきたいことがあります。

人的保証制度では、奨学生本人が返済できなくなった場合に、連帯保証人、そして保証人が返済の義務を負います。奨学金が完済されれば、もちろん連帯保証人・保証人の返済義務もなくなります。

完済の通知は奨学生本人に送られますが、連帯保証人や保証人の方にJASSOから直接通知が行くことはありません。そのため、ご自身で連帯保証人や保証人の方に奨学金の返済が完了したことをお伝えすると、安心していただけるでしょう。これまで保証人として支えてくださった方々への感謝の気持ちとともに、ご報告されることをおすすめします。

機関保証制度を利用していた場合は、保証機関が保証していた形になりますので、特別な手続きや連絡は不要です。保証料の返還がある場合は、完済後に保証機関から手続きの案内がある場合があります。

完済証明書とは?どうすればもらえる?

「奨学金返還完了通知」が届けば完済の証明となりますが、これとは別に「奨学金返還証明書」という書類を発行してもらうことも可能です。

奨学金返還証明書は、特定の目的のために奨学金の返済状況や完済の事実を公的に証明する必要がある場合に利用できる書類です。

奨学金返還証明書が必要となるケース

ただし、一般的な融資審査などにおいては、必ずしも奨学金返還証明書が必要となるわけではありません。多くの場合、過去の借り入れや返済状況は信用情報機関を通じて確認されるためです。必要かどうかは、提出先にご確認ください。

奨学金返還証明書の発行方法

奨学金返還証明書は、JASSOに申請することで発行してもらえます。申請方法はいくつかあります。

  1. スカラネット・パーソナルからの申請:
    • スカラネット・パーソナルに登録している場合は、インターネットを通じて申請できます。これが最も簡単で早い方法です。
    • ログイン後、「各種証明書の発行」メニューから申請手続きを行ってください。
  2. 郵送での申請:
    • JASSOのウェブサイトから「証明書交付願」をダウンロードし、必要事項を記入の上、JASSOに郵送して申請します。
    • ウェブサイトで様式を確認し、ダウンロードしてご利用ください。

どちらの方法でも、証明書は申請から発行までにある程度の時間がかかりますので、必要になる時期よりも余裕を持って申請することをおすすめします。通常、申請受付から証明書発送まで1週間から10日程度かかるとされています。

完済後の安心と次のステップ

奨学金という大きな借り入れを完済されたことは、経済的な自立に向けた大きな一歩です。これにより、将来のライフプラン(住宅購入、結婚、子育てなど)に向けた資金計画を立てやすくなります。

奨学金の返済に充てていた金額を、これからは貯蓄や投資、自己投資などに振り向けることで、資産形成を加速させることが可能になります。奨学金返済を通じて培った堅実な金銭感覚は、今後の人生においてもきっと役立つことでしょう。

まとめ

ご自身の努力で奨学金を完済された経験は、必ずや今後の人生の大きな糧となるはずです。