初めてのボーナス、どう使う?奨学金返済を早める賢い活用法
はじめに:初めてのボーナスと奨学金返済
新社会人として働き始め、迎える初めてのボーナス。学生時代の頑張りが形になった、嬉しい収入です。同時に、頭の片隅に浮かぶのが奨学金の返済のことかもしれません。まとまったお金が入ったこの機会に、奨学金返済について考えたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
初めてのボーナスを何に使うか、迷っている方もいらっしゃるかもしれません。自分へのご褒美、将来のための貯蓄、投資など、様々な選択肢がある中で、「奨学金返済」も有力な選択肢の一つです。
このページでは、初めてのボーナスを奨学金返済に賢く活用する方法について解説します。ボーナスを返済に充てることのメリットや、具体的なステップ、そして注意点についてお伝えします。この情報が、あなたが奨学金返済の負担を少しでも減らし、完済への道をスムーズに進む一助となれば幸いです。
ボーナスを奨学金返済に充てるメリット
ボーナスを奨学金返済に充てることには、主に二つの大きなメリットがあります。これは、「繰り上げ返済」(日本学生支援機構では「臨時増額返還」と呼ばれます)というかたちで行います。
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利息の軽減(有利子奨学金の場合) あなたが借りている奨学金が有利子(利息がかかるタイプ)の場合、繰り上げ返済を行うことで、将来支払うはずだった利息の一部または全部を減らすことができます。返済は元金と利息に対して行われますが、繰り上げ返済分は、返済期間の後半に支払う予定だった利息の計算対象となる元金を減らす効果があるため、支払う利息の総額を減らすことにつながります。特に、返済期間が長い奨学金ほど、この利息軽減効果は大きくなります。
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返済期間の短縮 繰り上げ返済によって、毎月の返済額はそのままでも、返済回数を減らすことができます。これは、完済までの期間を短くすることを意味します。例えば、返済期間があと10年残っている場合でも、まとまった金額を繰り上げ返済することで、完済が9年後になる、といったことが起こり得ます。完済までの期間が短くなれば、その分早く奨学金返済の負担から解放され、将来のライフプラン(住宅購入や教育資金など)を立てやすくなります。
ボーナスを繰り上げ返済に充てる際の具体的なステップ
ボーナスの一部または全額を繰り上げ返済に充てる場合、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。ここでは、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を例に、一般的なステップをご説明します。
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繰り上げ返済に充てる金額を決める まず、手元に入ったボーナスの中から、いくらを奨学金返済に回すことができるか検討します。この際、全額ではなく、一部を返済に充てることも可能です。
- 生活防衛資金の確保: ボーナスをすべて返済に回す前に、急な病気や怪我、失業などの予期せぬ事態に備えるための生活防衛資金を確保することを強くおすすめします。目安としては、生活費の3ヶ月~6ヶ月分程度と言われています。この資金を確保した上で、無理のない範囲で繰り上げ返済額を決めましょう。
- 将来の支出を考慮: 近いうちに大きな支出(例:引っ越し費用、車の購入費用、友人の結婚式への出席費用など)の予定がないかも考慮に入れると良いでしょう。
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日本学生支援機構(JASSO)へ申し込む 繰り上げ返済(臨時増額返還)を行うためには、JASSOへの申込みが必要です。
- 主な申込方法: 最も一般的なのは、インターネットの「スカラネット・パーソナル」を利用する方法です。24時間いつでも申込みが可能で、手続きも比較的スムーズです。その他、郵送やFAXによる申込み方法もあります。
- 申込み内容: 申込み時には、繰り上げ返済を希望する奨学金の情報、返済希望金額、返済方法(口座振替など)などを指定します。
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指定した方法で返済する 申込みが完了すると、指定した方法で繰り上げ返済が行われます。通常、申込みから実際に引き落としや返済が行われるまでに一定の期間がかかりますので、JASSOからの連絡やスカラネット・パーソナルで確認できる情報を注意深く見ておくことが大切です。
知っておきたい注意点とバランス
ボーナスを奨学金返済に充てることは有効な方法ですが、いくつか注意しておきたい点があります。
- 手元資金の枯渇リスク: 前述の通り、生活防衛資金を確保せずにボーナスを全額返済に回してしまうと、急な出費に対応できなくなるリスクがあります。無理のない範囲で計画的に行うことが重要です。
- 有利子か無利子か: 繰り上げ返済による利息軽減のメリットがあるのは有利子奨学金のみです。無利子奨学金(第一種奨学金の一部など)の場合でも返済期間短縮のメリットはありますが、利息軽減効果はありません。ご自身の奨学金の種類を確認しましょう。
- 他の資金ニーズとのバランス: ボーナスは、奨学金返済以外にも、自己投資(資格取得のための勉強費用など)、将来のための貯蓄(NISAなどの資産形成)、あるいは自分自身への投資(リフレッシュのための旅行など)に使うこともできます。全てを返済に回す必要はありません。これらのバランスを考慮し、自分にとって最も有益な使い道を選択することが大切です。
まとめ
初めてのボーナスは、社会人として初めて手にする大きな収入であり、将来に向けた一歩を踏み出すための大切な資金です。奨学金返済に充てることは、利息の軽減や返済期間の短縮といったメリットがあり、将来の負担を減らすための非常に有効な方法の一つです。
ただし、繰り上げ返済は計画的に行うことが重要です。生活防衛資金の確保を最優先し、無理のない範囲で金額を決め、JASSOの正規の手続きを通じて行ってください。
初めてのボーナスを賢く活用し、奨学金完済という目標に一歩ずつ近づいていきましょう。どのように返済計画を立てるべきか、もっと詳しく知りたい場合は、当サイトの他の記事(例:「奨学金返済計画の立て方」「奨学金の繰り上げ返済で得られるメリットとは?」など)も参考にしてください。